SIMフリー(シムフリー)のサービスを提供するMVNOは、大手通信キャリアのサービスとなにが違うのでしょうか。
ここでは、SIMフリーを選択するメリットおよびデメリットからその違いを探ってみましょう。
なお、すべてのMVNOがこれに該当するわけではありません。
具体的にSIMフリースマホのメリットを挙げてみましょう。
これが一番大きなメリットですね。
単純に価格だけで比較すれば、大手通信キャリアの通常プランで5000円/月以上かかる通信料が、基本料金1000円/月くらいで利用できるプランがあります。
また、MVNOではありませんが、通信料の安さでは大手通信キャリアのオンライン専用プランも選択肢に入ってくるでしょう。
通信事業者を変更しないのであれば、周波数帯やSIMロックなどを気にせずにサービスを変更することができます。
なお、通信料が安い理由は「MVNOの通信料金が安いのはなぜ?」を、オンライン専用プランについては「MVNOとオンライン専用プラン、楽天モバイルとの違い」を参照してください。
大手通信キャリアが「通話かけ放題+データ通信量」でプランを組んでいるのに比べ、MVNOの場合は「通話+データ通信量」「データ通信だけ」などさまざまなプランを提供しています。
ユーザーが欲しいサービス内容からMVNOを選ぶことができるのは大きなメリットです。
MVNOはSIMカードだけの契約が可能なので、機種変更して使わなくなった通信キャリアのスマホやSIMフリースマホなどを「データ通信専用にする」「子ども用にする」など、再利用することが可能です。
必要な速度や通信量に合わせて、無駄なく最適な価格を選択することができます。※
※スマホ本体によって利用できるMVNOのサービスは異なります(「大手通信キャリアの周波数帯に注意!」参照)。
スマホは年々、新しい技術を加え、いまやパソコン並みの高機能・高価格の機器になっています。
最新・最先端のスマホはビジネスには最適ですが、日常生活で快適に使いたい場合は、基本機能の充実や使い勝手の良さが重要ですね。
SNSとネット検索が中心とか、電話だけしか使わないなど、個人によって使い方はさまざまです。
MVNOでは、こうした用途に合わせ、価格を抑えたSIMフリースマホを用意しているところが多くあります。
SIMフリースマホには、機能や価格を抑えたものだけでなく、デザインがいい、電池もちがいい、カメラが高機能など、さまざまな用途に合わせた機種も多く出ています。
たとえばシャープでは、大手通信キャリア向け(キャリアプラン)とは異なる、SIMフリースマホ限定色のスマホも用意しています。
SIMフリーで使うスマホは、かつては中古だったり、SIMロックを解除して利用することが多かったのですが、昨今では各メーカーがSIMフリー専用スマホを直販しており、補償サービスなどのサポートも充実してきています。
たとえばシャープの場合、画面破損や電池交換のほか、盗難や紛失にも対応した「モバイル補償パック for SIMフリー」を提供しています。
また、SIMフリースマホとモバイル補償パックをセットにしたお得なパッケージも用意されています(詳細は「AQUOSダイレクト」で確認できます)。
安くてプランの選択肢も多いMVNOですが、導入には注意したいこともあります。
携帯電話時代から利用してきた@docomo.ne.jpなどのキャリアメールは、解約してMVNOのSIMフリーに移行すると利用できなくなります。
これは大手通信キャリアのオンライン専用プランの場合も同じです。
そのままではサーバーに保存されたメールもすべて削除されてしまうので、事前にバックアップを取るなどの対応が必要になります。
ただし、大手通信キャリアの3社では、それぞれメールの持ち運びサービスを提供しています(月額330円/税込み)。詳細は各社、下記のページで確認できます。
・ドコモメール持ち運び(NTTドコモ)
https://www.docomo.ne.jp/service/docomo_mail_portability/
・メールアドレス持ち運び(ソフトバンク)
https://www.softbank.jp/mobile/service/mail-address-portability/
・auメール持ち運び(KDDI(au))
https://www.au.com/mobile/service/aumail_portability/
これまでどおり、キャリアメールを使い続けたい場合は、別途、メールの持ち運びサービスを利用しましょう。
なお、キャリアメールを使用しない場合、メールサービスを用意しているMVNOもありますが、基本的にはGmailなどのフリーメールやプロバイダーなどのメールを使用します。
実店舗を持たないMVNOも多く、こうしたMVNOの場合は、申し込みはパソコンやスマホなどからインターネット経由で行います。
オンラインでの申し込みの場合、SIMカードの受け取りや端末設定におけるAPN(プロバイダー名)の変更、開通手続きまでをすべて自分で行う必要があります。
難しい作業ではありませんが、スマホの操作に慣れていないと少し面倒かもしれません。
サポートもオンランのため、実店舗での対面サポートのようなサービスは受けにくいでしょう。
また、オンラインでの契約の場合、SIMカードが届くまでに2日〜1週間くらいかかります。
たとえば、MNPで電話番号を引き継ぐような場合、数日間、電話ができない空白期間が発生することがあるので注意しましょう。
大手通信キャリアに比較すると、とくに12時台や夕方18時以降はMVNOの通信速度は遅くなる傾向があります。
メールを見たりちょっとWebを眺めるくらいであれば問題はないですが、データのダウンロードや動画の視聴などを頻繁に行う場合は注意が必要です。
とくに古い機種の場合、MVNOのSIMではテザリングができないことがあります。
テザリング専用の接続先に固定されているからです。
テザリング用途でMVNOを利用したい場合は、あらかじめ使いたいスマホがMVNOでテザリングが可能かどうかを確認しておきましょう。
各MVNOのサイトの動作確認済み端末一覧などで確認できるようになっています。
ここではSIMフリースマホのメリットやデメリットをまとめましたが、大手通信キャリアを選ぶメリットというのもあります。
まず、対面で相談しながら最適なサービスを選択できること、契約後も困ったときに対面でサポートを得られることが大きいでしょう。
スマホのサービスはどんどん充実してきているので、自分に必要なサービスはどれなのかを見極めるには、ある程度の知識が必要になるからです。
また、スマホの使い方教室なども定期的に行われているので、新しい機能を使いこなしたいときなど気軽に参加できるのもメリットの1つでしょう。
最近では、料金の見直しなどの相談にも対応しています。
スマホにあまり慣れていない、もっと使いこなしたいという場合は、大手通信キャリアのサポートは安心できるでしょう。