原作『スマホを落としただけなのに』は、スマートフォンという現代人の必需品と日常生活に潜む恐怖を描いたミステリー作品。
2020年3月、舞台『スマホを落としただけなのに』が上演されると、約1万枚のチケットが即日完売。主演をふぉ~ゆ~・辰巳雄大が務め、共演に浜中文一、ヒロインに乃木坂46・早川聖来を迎えての話題作でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため千秋楽を待たず公演中止となっていました。その本作が、多くの方からの熱い声もあって、2021年6月にアンコール上演されることが決定しました。
そこで今回は、本作品で連続殺人犯に狙われる黒髪の美女・稲葉麻美役を演じ、先日、乃木坂46で初めて選抜メンバーに選ばれた早川聖来さんにインタビュー。舞台について、スマホとの付き合い方や怖いと思うサイバー犯罪について、そして初選抜を告げられたときの気持ちについても語ってもらいました。
乃木坂46・早川聖来
2000年8月24日生まれ、大阪府出身。4期生。6月9日発売の27thシングル『ごめんねFingers crossed』で初の選抜入り。これまで乃木坂46版ミュージカル『美少女戦士セーラームーン2019』、dTVオリジナルドラマ『サムのこと』、ひかりTVオリジナルドラマ『ボーダレス』などに出演。
――舞台『スマホを落としただけなのに』は、昨年、公演が途中で中止になってからのアンコール上演ということですが、まずは再演前の現在の心境、意気込みを聞かせてください。
早川聖来(以下、早川):一度中止になったこともあって、また違う思いがあります。コロナの影響で一度できなくなったからこその悔しさみたいな、挫折感じゃないですけど、そういったことも経験したので。昨年、キャストやスタッフの方たちと舞台を作り上げる中で一体感が生まれて、まだまだこれからっていうときにいきなり公演がなくなってしまったので、今はそのときのリベンジだという感じで始まる前からみんなすごくやる気になっています。
――再演するにあたってみなさんで決起集会みたいなことはされたんですか?
早川:決起集会はなかったんですけど、一緒に盛り上げていこうという話をしました。みんなやる気満々で、前回以上に熱いものがお届けできるんじゃないかと思っています。
――今回は無事完走したいという気持ちも?
早川:はい、正直まだ不安もあります。世の中の状況がいろいろ変わっていますし、一度中止になってしまったというのもあって、たまに少し弱気になることもあるんですけど……。でもそれ以上に、今はできることのありがたさを噛み締めてやろうと思っています。
――この作品では、恋人が落としたスマホをきっかけに事件に巻き込まれるヒロイン・稲葉麻美役を演じていらっしゃいます。作品に関わったことで、実生活でのスマホの使い方や扱い方が変わったという部分はありますか?
早川:あります。私、前は普通に人にスマホのパスコードを教えてたんですけど(笑)。それはやめるようにしました。
――パスコードを! それは誰に教えていたんでしょう?
早川:乃木坂46のメンバーの子たちです。写真を撮ってもらうときにパスコードを教えて、「開けていいよ~」みたいな(笑)。でもパスコードを口に出して言っているところを誰かに聞かれるのはよくないと思って、言わないようになりました(笑)。
――確かに、口に出して教えるのはマズいですね。
早川:マズいですよね。ただ、誕生日とか簡単にわかるようなパスコードには最初からしていなくて、絶対わからないものにしています。教えない限り、誰にもバレない自信はあります!
――スマホを落とさないよう注意はしていますか?
早川:落とさないようにしよう、と思ってはいます。でも思っていてもついうっかり置き忘れちゃうんですよね(笑)。お仕事の現場で取り出して、机の上に置いて、カバンに入れたつもりがそのまま置いてきちゃうとか。車に乗ってから気づいて、マネージャーさんに取りに行ってもらったこともあります。危ないですし、人に迷惑もかかって申し訳ないので気をつけたいです。
――もしもスマホを落として、悪意を持つ人物に中身を見られてしまったとしたら、一番困ることはなんだと思いますか?
早川:私の場合、落としてしまったら、お仕事のことやスケジュールが全部スマホに入っているので、まずそれが本当に困ってしまいますね。
――スマホって自分の情報だけじゃなく、他の人の個人情報も入っているのがやっかいですよね。
早川:そうですよね。メンバーに迷惑をかけちゃうのは絶対ダメなので、本当に気をつけないと。
――早川さんが普段スマホでよく使う機能やアプリってなんですか?
早川:仕事で使うのはメールとLINEですね。あとはカメラアプリも。プライベートな時間でもなにかいいものを見つけたらすぐに写真を撮って、ファンの方に伝えたい ので、基本、スマホは肌身離さずです。寝るときもすぐ横に置いて、起きるときもアラームで起きます。
それと、交通系やクレジットカード系のキャッシュレス決済も使っていますね。一応、お財布にお札だけは入れてあるんですけど、ほとんど現金は使わないです。小銭は全然持ち歩かなくなっちゃいました。だからますますスマホは落とせないですね。
――『スマホを落としただけなのに』では、いろいろなサイバー犯罪が出てきますよね。その中で早川さんが一番怖いと思うのはどれでしょう。
早川:え~、どれだろう……ひとつ挙げるとしたらSNSを乗っ取られるのは嫌ですね。ブログ以外、SNSはやっていないんですけど、誰かに乗っ取られてなりすましの投稿をされるというのはすごく怖いです。
というのも、もしも乗っ取られた人がいたとして、私だったら絶対信じちゃうから。いつもと違う投稿を見ても「あ、こんな人だったんだ」とか思ってしまいそうで。
――自分が読む方だとしたら信じてしまうから、余計怖い、と。
早川:はい。フェイクニュースとかも信じやすいので(笑)。もし私のブログを乗っ取られたらって考えると、ちょっともうきっと生きていけない……(笑)。
――さらに脅かすような話になってしまうのですが、サイバー犯罪では「クレジットカードが不正利用されました」「お客様宛の荷物をお預かりしています」というショートメッセージなどが届いて、URLをタップするとカード情報を入力させられたり、マルウェアに感染させられたりするフィッシング詐欺と呼ばれるものが増えています。こうしたメッセージって受け取ったことがありますか?
早川:来たことあります! 荷物を預かっていますっていうメッセージが来ました。私、ネットショッピングはあまりしない方なんですよ。だから「絶対ウソだ」って思いました。でも、そのことに気づいたもこの舞台をやっていたからですね。お芝居で被害者の人生を経験してるので(笑)。そういうのはわかるようになりました。「これは怪しい」って。
――演じた経験が活きていると。もうひとつ、これは映画の『スマホを落としただけなのに囚われの殺人鬼』で出てきましたが、無料のフリーWi-Fiを使うのもリスクがあります。偽物のフリーWi-Fi は飲食店などに仕掛けられていて、本物っぽい偽の名前が付いているものを使うと盗聴をされる場合も。こうしたフリーのWi-Fiを使うことは?
早川:Wi-Fiも前はよく使っていました。昔はもうWi-Fi大好き人間だったので(笑)。どこに行ってもまず「Wi-Fiないかな?」って探している感じだったんですよ。そのときはデータが5GBまでしか使えない、5GB生活だったんです(笑)。
でも実は、今はもう20GBあるんです。フリーWi-Fiが危ないというのを知ったからというのもあるんですけど、データ量が4倍になって今はだいぶ余裕があるので、外でWi-Fiを探さなくなりました。
あ、でもそういえばこのあいだダンスの振りの動画を確認しなければならないことがあって、それをずっと見ていたら久しぶりにギガ不足になりました。それで次の日にはもう0.5GB買っちゃいました (笑)。追加のギガってそのとき初めて買いました。フリーWi-Fiを安易に使うのは確かに危険だと思うので、それなら買った方がいいですよね。
――では話題を変えて、乃木坂46の活動についてもお聞きします。改めてですが、27thシングル『ごめんねFingers crossed』(6月9日発売)での初選抜、おめでとうございます。
早川:ありがとうございます。
――4期生として2018年に加入して、今回が初の選抜入りになりましたが、選ばれたときの感想を聞かせてもらえますか?
早川:そうですね……。乃木坂46に入ったときから目標にしていたことなのですごく嬉しかったですし、でもすごく不安もあって、選ばれたときはなんとも言えない感情でした。
それまでの選抜発表のときは、同じ4期生で選ばれた子に対して「おめでとう」って思うのと同時に、やっぱり悔しいなっていう気持ちもありました。だけどいざ自分が選ばれると、はたして自分が選抜に入ってよかったのかな……とも正直考えてしまいました。
メンバーのみんなもたぶんそうだと思うんですけど、選抜に選ばれない子がいるからこそ、その子のためにも頑張ろうっていう気持ちがありつつ、でも同時に選ばれなかった子の気持ちもわかるし、そういう思いの狭間に入り込んでしまったというか……。
――選抜発表は会議室に全員集まって、1人ずつ名前を呼ばれて、という流れだったんでしょうか?
早川:はい、そうですね。
――名前を呼ばれたときは?
早川:ビクってしちゃいました(笑)。「あ、私だ」って思って。
でも、なんでしょう、呼ばれるっていう自信がまったくなくて。ずっと「あ、次呼ばれなかったらもう終わりだ、終わりだ、終わりだ……」って思いながら聞いていたんです。だからその瞬間はすごい泣いちゃったんですけど……。
――泣いてしまったのはどんな感情で?
早川:メンバーの何人かにすごい「おめでとう」って言ってもらえて、ありがたかったのと安心したのとで、気づいたら泣いていました。
――涙と言えば、5月8日に『9th YEAR BIRTHDAY LIVE~4期生ライブ~』という配信ライブがありました。その中でも終盤やはり感極まっていらっしゃいましたが、そのときの心境はどうだったんでしょうか。
早川:ライブの本編のラストで『4番目の光』(4期生にとって初の自分たちの楽曲)をやらせていただいたんです。それがすごく思い入れの深い曲で、初期のころにいただいた曲だし、歌詞もすごく好きで。
以前、初めて4期生でライブをさせていただいたときにその曲を披露させてもらったんです。あのときはまだ右も左もわからないような状態で、必死でライブに挑んで大変だったこととかも思い出しちゃって。
それに今回のライブは、ゲネプロ(最終リハーサル)のときに、ほんとに自分でもびっくりするくらいうまくできなくて。そんな感情がいろいろ急に押し寄せてきて、うまく言えないんですけど、自分でもわからないうちに泣いていました。
――正直な気持ちを伝えてくださってありがとうございます。最後に、舞台を見たいと思っている方にメッセージをお願いします。
早川:はい。舞台『スマホを落としただけなのに』は、前回中止になってしまったあとに、たくさんの方に「また見たい」って言っていただいた作品です。そうやってみなさんからの声が上がらなかったら、今回、絶対再演もできなかったなって思っています。だから今は、もう一度できる感謝を込めて演じさせてもらいたいという気持ちで一杯です。
世の中でエンターテイメントが一回できなくなってしまった時期を乗り越えての公演なので、私たちも熱い気持ちを持って臨んでいます。その思いをみなさんにお届けできるよう、精一杯頑張ります。ぜひ会場にお越しいただけたら嬉しいです。頑張ります。よろしくお願いします!
原作:志駕 晃「スマホを落としただけなのに」(宝島社文庫)
脚本・演出:横内 謙介
出演者:辰巳雄大(ふぉ〜ゆ〜)/浜中文一/早川聖来(乃木坂46)/佐藤永典/原田龍二 伴美奈子/三浦 修平/真坂 雅/北村 由海/高畠 麻奈/野依 健吾/山田 良明
<大阪公演> 全5公演
2021年6月4日(金)~6月6日(日)
会場:松下IMPホール
<東京公演> 全9公演
2021年6月9日(水)~6月14日(月)
会場:日本青年館ホール
料金:<大阪・東京共通> 全席指定 9,000円(税込)
※未就学児童入場不可
一般チケット:発売中
公式サイト: https://www.sumahootoshita-stage.jp/
Twitter: @sumaho_STAGE
舞台『スマホを落としただけなのに』でも描かれたスマホを使ったサイバー犯罪。日々巧妙化し、私たちの日常にもサイバー犯罪の兆候が……。以下のような場合は、サイバー犯罪の可能性がありますので、注意してくださいね。
おかしいと思ったときには各都道府県の警察庁サイバー犯罪相談窓口まで相談しましょう。
作品では「スマホを失くしてからの災難」がテーマとなっていますが、スマホを見つける機能がAndroidにはあるので事前に設定をしておくと安心。屋外での紛失や置いたはずの場所にないときに、音を鳴らしたり、地図で位置確認することができます。
インタビュー内で、パスコードを他人に口頭で教える危険性の話があがりましたが、指を動かさずにスマホを顔に向けるだけの「顔認証」や、指を指紋センサーに置くだけの「指紋認証」でロック解除する方法も検討しましょう。
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