iPhone(アイフォーン)で利用できるメールは、パソコンで使えるインターネットメールと、通信事業者が提供するキャリアメール(ケータイメール)の2種類があります。
ここでは、インターネットメールのiCloud(アイクラウド)メールの引き継ぎ方法を中心に説明します。
キャリアメールの送受信データは、Android(アンドロイド)スマホには移せませんが、パソコン経由で利用することは可能です。
詳細は「キャリアメールをクラウド環境で利用する」を参照してください。
iPhoneからAndroidスマホに移したいメールの種類を確認しましょう。
メールの種類や設定によっては、受信済みメールは引き継げない場合があります。
メールの種類 | 引き継ぎ方法 |
---|---|
インターネットメール | 「メール」アプリでアカウントを設定することで移すことができる。 ・フリーメール(iCloudメールやYahoo!メールなど):○ ※1 ・プロバイダーメール:△ ※2 |
キャリアメール | 通信事業者を変更しない場合、同じメールアドレスでメール設定を行うことで読み込みが可能。 また、パソコンからクラウド経由でキャリアメールの送受信データを読むこともできる。 ただし、通信事業者を変える場合は利用できない。 |
ここでは、表に示した「インターネットメール」のうち、フリーメールのiCloudメールを例に、受信メールの引き継ぎ方法を説明します。
メールアプリはAndroidスマホには必ず標準でインストールされている「Gmail」アプリを使用します。
プロバイダーメールでも設定方法は同じですが、設定内容はプロバイダーごとに異なるので、あらかじめ設定内容を確認しておきましょう。
なお、iCloudメールについては、2ファクタ認証の導入によって、別途、App用パスワードが必要です。
メールの設定で入力するパスワードは、新たに取得するApp用パスワードになります。
2017年3月にリリースのiOS10.3以降、iPhoneなどのApple製品ではセキュリティを高めるための「2ファクタ認証」が導入されています。
これによって、iCloudメールをAndroidスマホで利用する場合、あらかじめiPhoneなどからApple ID管理サイト(https://appleid.apple.com/)にアクセスして、アプリ専用のパスワード(App用パスワード)を取得する必要があります。
最初に、アプリ専用パスワードを取得しましょう。ここではパソコンからApple ID管理サイトにアクセスします。
Apple IDとパスワードを入力してサインインしてください。
2ファクタ認証のコードがiPhoneに送信されるので、入力します。
表示される画面で「App用パスワード」の「パスワードを生成」をクリックします。
パスワードのラベルの入力ウィンドウが表示されるので任意のラベルを入力します(例:iCloudメール用)。
再度、Apple IDのパスワードを求められるので、入力するとパスワードが発行されます。
これをコピーしてテキストファイルなどに保存しておいてください。
なお、「2ファクタ認証」が有効になっていない場合は、2ファクタ認証の「利用を始める」をタップして、画面の指示に従って設定を行ってからパスワードを生成してください。
Androidスマホで「Gmail」アプリをタップして起動します。
はじめて起動する場合は、「プライバシーポリシー」やアクセス権の画面が表示されるので、「同意する」や「許可」などをタップし、Androidに設定しているGmailアカウントでログインします。
ログインしたら画面左上のをタップしてメニューを表示、画面下の「設定」をタップします。
設定画面が表示されるので「アカウントを追加する」をタップします。
メールのセットアップ画面が表示されます。
ここでは「その他」をタップしてください。
メールアドレスの追加画面が表示されるので、画面の指示に従って、iCloudのメールアドレスとパスワードを入力します。
「次へ」をタップすると、アカウントのオプション画面になります。
ここで同期の頻度や着信の有無などを指定して「次へ」をタップします。
アカウント名や名前を入力したらアカウントの設定は完了です。
「次へ」をタップするとアカウント設定の画面に戻るので、←アイコンをタップしてGmail画面まで戻ります。
設定が完了したので、iCloudメールが受信できているかを確認してみましょう。
Gmail画面の右上のプロフィールアイコンをタップします。
アカウントの一覧が表示されるので、iCloudのメールアドレスをタップします。
これでiCloudで受信したメールが一覧で表示されます。
メールアプリに手動で設定する場合
iCloudメールは、サーバー情報などを自動的に認識しますが、メールのアプリによってはiCloudメールの設定を手動で行う必要があります。
例としてxxx@icloud.comの設定例を挙げておきます。参考にしてください。
項目 | 設定例 |
---|---|
アカウントの種類 | POP、IMAP、EXCHANGEから選択。 iCloudメールの場合は「IMAP」を推奨 |
ユーザー名 | icloudの場合は、メールアドレス(例:xxx@icloud.com) |
パスワード | icloudの場合は、別途取得したApp用パスワード |
受信サーバー | icloudの場合は、imap.mail.me.com |
受信サーバーのポート | 993 |
セキュリティの種類 | SSL/TSL |
smtpサーバー | smtp.mail.me.com |
smtpのポート | 587 |
セキュリティの種類 | STARTTLS 「ログインが必要」にチェック |
昨今のキャリアメールはクラウドで管理されているため、通信事業者を変更しない場合は、iPhoneからAndroidスマホに機種変更しても、同じメールアドレスでメールの設定を行うことで、それまでの送受信メールを読み込むことができます。
また、スマホだけでなくパソコンなど他の端末から利用することも可能です。
ここではドコモ、ソフトバンク、auを例にパソコンからキャリアメールを使う方法を簡単に紹介しておきます。
詳細は、各サービスのページで確認してください。
パソコンのブラウザーから「https://mail.smt.docomo.ne.jp/」にアクセスし、docomoIDとパスワードでログインします。
これで受信メールを確認したり、パソコンから返信したりできます(無料)。
なお、あらかじめ、メール設定の「dアカウント利用設定の確認/変更」で「dアカウントでドコモメールを利用」を「利用する」に設定しておく必要があります。
また、ドコモメールは、通常のインターネットメールのようにパソコンのメールソフトでも送受信が可能です。
詳細はドコモのWebサイト「その他のメールアプリからのご利用」で確認してください。
ソフトバンクのiPhoneの場合、S!メール(@softbank.ne.jp)のメールアドレスは、ブラウザーからメールの送受信が可能です。
月額330円の有料サービスなので、事前に「S!メール(MMS)どこでもアクセス」のページにアクセスして、申し込む必要があります。
申し込みが完了するとウェルカムメールが届くので、その指示に従って操作します。
「Eメール(i)」(@i.softbank.jp)の場合
ソフトバンクのiPhoneではもうひとつ、「Eメール(i)」(@i.softbank.jp)というメールが利用できます。
これはソフトバンクのiPhone専用メールサービスなので、Androidスマホでは利用できません。
データを保存しておきたい場合には、契約を変更する前にEメール(i)のアドレスへパソコンのメールソフトなどを使ってアクセスし、データを保存しておくといいでしょう。
メールソフトの設定は、次の例を参考にしてください。
なお、2018年7月より、暗号化(SSL)を設定しないと送受信に規制がかかるので注意してください。
受信サーバー | imap.softbank.jp |
---|---|
送信サーバー | smtp.softbank.jp |
ユーザー名 | xxx@i.softbank.jp用のアカウント名 |
パスワード | xxx@i.softbank.jp用のパスワード |
IMAPのポート番号 | 993(SSLを使用) |
SMTPのポート番号 | 465(SSLを使用) |
auのezwebメールは、パソコンのWebメールサービスを利用できます(無料)。
パソコンのブラウザーから「https://www.au.com/mobile/service/webmail/login/」にアクセスし、au IDとパスワードでログインすると、ブラウザーからezwebメールの送受信が可能になります。
詳しくは、auのWebメールのページを参照してください。